料理人は、三枚に下ろした魚の肉を水洗いする。とくに、白身の魚の場合は、何度も何度も丹念に洗う。白身の魚はよく洗ったほうがおいしいからである。コイやタイには、「洗い」という料理法まである。
 なぜ、白身の魚は水で洗うとおいしくなるのだろうか?
 これは、白身魚の筋肉の中に含まれているATP(アデノシントリホスファターゼ)という物質が、その鍵となっている。この物質は、冷水をかけると、筋肉を縮ませる性質をもっている。つまり、水で洗うと、魚の身がよくしまって、歯ごたえ、味ともによくなるというわけだ。

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