奈良の大仏が建立されたのは、今から一二00年ほど前のことだが、現在の’顔’は一六九一年に作られたものである。
顔を作ったのは山田遺安という人物で、こんな制作秘話が残されている。
顔の制作を依頼されたものの、どんな顔にすればいいのやら思案にくれた彼は、家の前に大きなカゴで作った大仏の顔の模型を置き、隠れてアンケート調査をすることを思い立った。自分は模型の中に隠れ、道行く人がどんな感想を言うか、それをヒントにしようというわけである。
こうして江戸時代の市井の人々の意見を取り入れて生まれたのが、現在の大仏様の顔。つまり、大仏様には特定のモデルはなく、その顔は、当時の万人から愛されるような顔にこしらえてあるというわけ。
それまでの大仏様の顔とはずいぶん違ったらしいが、当時は、’現代風にアレンジした’とでもいわれた?